すずめと部屋の大掃除をしていた。
引っ越して長いあいだ使っていない物を処分したり、欲しい人にもらってもらったり。
季節モノは引っ張り出してきて日光浴させたり。
そんなことをしていたら部屋中にモノが散乱してしまった。
狸の亡父ならば『えらいこっちゃなぁ〜。泥棒も片付けて帰るなぁ、これは!』と言うところだ。
それほど散らかっていたので狸が『もぅ、シッチャカメッチャカだね〜』と言ったら、すずめが大笑いして『確かにね〜、でも現代人には通じないわよ、その言葉は』と。
そうなのか。
『シッチャカメッチャカ』本当はどこの言葉なのだろう?
調べてみた。
品詞は形容動詞で、混乱したさまを砕けていう、物事が入り乱れているさま、めちゃくちゃ、などの意味で広辞苑にも載っていたので、狸語ではなかったようだ。
ひとまずは安心した。ところで語源は?
いくつか有るが有力なのが『戦前の料亭や芝居の世界で使われていた「しっちゃか面子」という「不器量な女性」のことを言った隠語』から来たという説らしい。
冗談で笑い飛ばしていたのだろうけど、いくらなんでも現状の狸の部屋と比べられたら、ちと可愛そうだな。
©Tanu記