すずめと映画を見た。
ハートウォーミング系の映画で、狸としては何の感銘も受けず、残らず、時間を潰した感じの強い内容だった(すみません)。
映画の中で登場人物が2階の部屋の窓から屋根の上に出て、近所の家を眺めながら話をする、というシーンがあった。
すずめが『狸も屋根の上で景色を眺めたんでしょ?』と聞いてきた。
狸の旧実家のことだ。
総2階ではない2階建てで勾配の緩いトタン屋根だった。瓦と違って滑らないし割れることもない。ひな壇状造成地に在って2方向に開けていた。
さらに具合が良い? ことに、狸の部屋の窓から屋根に出ることが出来た。
屋根に登っては、趣味としていた望遠鏡で星を見たりアマチュア無線のアンテナを立てたり、ただぼんやりと景色を眺めたり、した。
当時、従兄弟の家には屋根に物干し台が有って、海も見えて羨ましかったことを思い出した。
狸は眺めの良いところが好きだ。遠くを眺めると何故か安心できたりする。
その家は今はもうないが眺めた景色はよく覚えている。
屋根の上は楽しかった。
©Tanu記