狸家はマンションの1階を社宅として借りているが、そこには小さな庭が付属している。
庭に大家さんが植えた梅の木がある。
大家さんには『好きに使ってくれていいよ』と言われているが、友人でガーデンクリエイターのN君に庭の手入れを頼むようになってから花もたくさん咲くし、梅の木の元気が良くなった。陽当りや枝の振りが良くなったからだろう。
毎年その梅の木に実がなる。梅酢漬けにしたり、梅シロップを作ったりしているが、昨年は緊急事態宣言で、すっかり忘れていて6月末に庭を見たら、すでに熟しすぎていて落ちるのを待つばかりだった。
今年は忘れずに利用しようと思って、頃合いを見計らって梅の木を見ると実がなっていた。いい感じに色づいているので収穫する。葉の影の実も見逃さないように。
採れた実の数は一昨年より一つ増えて13個。重量は小振りの物が多かったせいか2割減の330gだった。
使う当ては梅酒、梅酢、梅ジャムと色々思いつくが、梅酒は今は飲む人がいない。梅酢は何年も前に漬けたものがまだ残っている。梅ジャムは煮ている間は気を抜け無さそうだから、ものぐさの狸には向いていない。
結局今年も『梅シロップ』を作ることにした。これなら真夏にはできあがって、かき氷にかけたり、炭酸水で割って飲んだり楽しめそうだ。
作るものが決まったので、さっそく準備を始めよう。
©Tanu記
