先週末に神戸元町にでかけた。
目的は中華街ではなく、元町駅界隈で移転開店した、すずめ馴染みの古本屋さんを見に行くためだった。
元々は阪急線より山側のビルの一角に店を開いていたが、昨年の台風で雨漏れがして商品の書籍が濡れるという被害を被ったので、移転することに決めたのだそうだ。
今までは古書の品揃えは狸の興味外の物が多かったので、行ってもチラッと見るくらいだったが、移転して床面積も若干広くなってチョット興味を引くジャンルもあったので少し眺めていた。
すずめもこの古本屋さんで書籍を買うことはあまりなく、もっぱら古書を引き取ってもらう目的で来ることが多い。また、この古本屋さんは古い雑貨や絵葉書なども引き取ってくれるので、古いものを、ただゴミ袋に入れることに抵抗を感じる我々には、ありがたい存在なのである。店主は狸の子世代に近いくらいの方だ。
わざわざ神戸元町まで来る手間ひまを考えると、ゴミ袋に入れる方がよっぽど楽で経済的で、しかも環境にも良いかもしれないが。
狸が中学〜高校生くらいの頃、本を読むのが大好きだった。内外の読み切りの短編物が好きだったが、文庫本でも新品を買うと小遣いに響くので、古書店通いをしたものだった。古書店の店先に『1冊10〜100円』などと並んでいると、時間をかけて読みたい本を探した。
読み終えると、気に入ったものは手元に置き、そうでないものはまた古書店に引き取ってもらう、そんな風だった。返しに行くのが面倒になるので、図書館はあまり利用しなかった。
今の語彙力は、その頃に出来上がったのじゃないかと思っている。
©Tanu記