思い出のクルマの話である
免許を取得して、まずはクルマに乗りたかった。
当時家には親が乗っていたトヨタカローラがあった。樺色の4ドアセダンで全然おしゃれじゃないし、1300DXのATで全然速くはなかったが、親から『使わない時は乗っていいけど、ガソリンは入れておいて』と言われて、自分のクルマが手に入ったように嬉しかった。
当時の写真が見当たらないので、トヨタさんのホームページから。このクルマは2ドアセダン。
父親は初めてクルマを買ったときから、当時では少数派のATを購入していて、その後もずっとATだった。狸はMT派で、MTに乗りたかったがまだまだ自分のクルマを買えるほどではなかった。
ともかく平日の父が帰宅してからの夜は(父は母に駅まで迎えに来てもらっていた)、のって良いことになった。近所の買い物や父の送迎は買って出て、少しは重宝がられた。
夜は先輩や友人と何となくツーリングに出かけて、深夜も開いているファミリーレストランでコーヒー一杯を頼んで居座って喋り、夜中に帰ってくる。
ちゃんと朝には起きて講義を受けていたのだからタフだったと言うか若かった。クルマで走っているだけで楽しく幸せ。正にそんな時期だった。
©Tanu記