観葉植物でおなじみの『虎の尾』と呼ばれるものがある。本名はサンセベリアというヤツだ。10年ほど前に単身赴任してきた時に、当時母が世話をしていたものを一鉢もらってきて、殺風景な一人暮らしに緑を加えた。
本当に手間のかからないヤツで、冬は寒くならないように窓から離して水を制限するくらいで、時々水性肥料を与えるくらいだったのにどんどん大きくなって、職場の同僚や、おもちに分けて譲ったりしていた。
最近になって水を与えていると、花が咲いているのに気づいた。目立たないので新しい葉っぱかと思っていた。
うちにあるヤツの和名は覆輪千歳蘭で、その名の通り小さな蘭のような花が咲き、甘い香りと蜜が出ていた。NASAが認める空気浄化性の高い植物なのだそうだ。花言葉は永遠、こいつに負けないように長生きせねば!
主な原産地はアフリカの乾燥地帯で、現地では春から夏にかけて花が咲くらしいが、日本で栽培されている観葉植物としての虎の尾に、花が咲くのは珍しいことらしい。
夏生まれの狸への、先代からの誕生日プレゼントかもしれないと思った。蜜をなめてみると本当に甘かった。
©Tanu記