今年の七夕がやってきた。
狸の住んでいるマンションでも、こどもたちの七夕イベントのお知らせが掲示板に貼られていた。
食事や買い物に行っても、レストランやスーパーの入口やピロティに笹の葉がサラサラしていることが増えた。
こどもの頃から星空を見上げるのが好きだった狸は、なんとなく7月7日は晴れたら良いのになぁと思っていた。
いつの頃だったかは、とうに忘れたが母方の祖母が存命だったから小学生のころか。
その祖母から『七夕様は旧暦でやれば、ちょうど良い』という趣旨の話を聞いた。
実際のところ伊達政宗公の時代から続いているという仙台の七夕まつりは、旧暦での開催だ。
『旧暦っていつのこと?』『一月後の8月なかばくらいだよ』と、教わった。
今年の旧暦の7月7日は8月22日。
普通なら梅雨も、とっくに開けて太平洋高気圧が、まだまだ盛んな時期だろう。
きっと天気も良いに違いない。
もちろん小学生も夏休みだから存分に夜更かしして星空を眺められる。
そうしたら織姫と彦星も毎年のように会えるのにね。
ただしそれだと簡単すぎるから悲恋の物語には似合わない。
そんなこんなで新暦の7月7日が定着しているのかも知れないな。
ドラマがあまり得意でない狸としては、断然、旧暦推し、なのだが。
©Tanu記