夜になって、あたりが静になると遠くの微かな音も聞こえてくる。
最初は、すずめが気がついた。
『何か、ピ〜ンポ〜ン、って聞こえない?』
クルマが一台でも通ると、かき消されて聞こえない。
しかし、よく聞くと聞こえてくる。
狸は『何か聞き覚えがあるなぁ』と。
そう言えば大阪にいたときに、おおさか東線に乗ることが有った。
その時に聞いた気がする。
きっと駅の音に違いない、そう考えて、すずめがいない休日の夜に、わざわざ最寄りの駅の階段まで確かめに行ってみた。
すると、やはり駅に続く階段の入口に、スピーカーが有って、そこから流れている音だった。
『おおさか東線の駅と同じ音ということは、企画があるのか?』
そう思って調べてみた。
すると、ちゃんと有ったのだ。経済産業省が紹介している。
それによると狸が住んでいる家から、かすかに聞こえる”ピ〜ンポ〜ン”は、1976年から用いられれている古い方の音のようだ。
反響しやすく位置が分かりにくいという欠点があり、その分音量を上げる必要がある。
似たような音で違う音もあるな、と思っていた音のサンプルも有った。
そちらは定位しやすいのだそうだ。
ただし少し濁った音に聞こえるな。
必要な音だけど結構な音量なので駅の近くに住むときには考慮しないといけないな。
©Tanu記