通勤のとき。
駅の構内を歩いていると時々落ちている。
白っぽいコンコースの通路に黒いカケラが落ちている。
踵部分のことが多い。
大概は張り付けていた接着剤が劣化して剥がれた感じ。
ハイヒールのヒール部分は釘で打ち付けていたものが外れて落ちていることがあって危ない。
今日の帰り道、靴の裏全体が ”ベロン” と剥がれて落ちていた。
『これじゃ家まで帰れないのでは?』と思うが、しかし靴の造りにもよるが結構歩けちゃったりする。
狸も経験がある。
随分昔で、まだ若かったころ。
出張でアメリカの砂漠を通ったときのこと。
クルマから降りて灼熱の(気温50℃近かったかなぁ)駐車場を歩いていると急に靴が軽くなった。
『あれっ?』と思って振り返ったら、すぐ後ろに靴の裏が落ちていた。
『えっ?』と靴の裏を見たら片方は剥がれて落ちていて、もう片方は足を上げたら、そのまま落ちた。
駐車場の舗装が、あまりに温度が高くなっていたせいで、あっという間に接着剤が溶けたみたいだった。
とりあえず工具箱の中に入っていたボンドで付けたものの、今にも外れそうだ。
運転中に外れると危ないから、えいっ!と、取ってしまった。
柔らかい靴底は、ちょうどドライビングシューズのようで運転には支障が無かった。
何時間か走って次の街に着き食事に行ったりホテルに入ったり。
次の日に靴屋に駆け込むまで無事に、やり過ごせた
今日、靴の裏を落とした人も、無事に家まで帰れたかな?
©Tanu記