すずめの実家の片付けをしていた。
クロゼットの隅から開かずのダンボールが幾つか発掘された。
その中の一つの『この「ケーブル・小物」の箱の中身を点検してもらえない?』と、すずめからのリクエスト。
さて箱の中を覗くと、オーディオ・映像機器、PCの付属ケーブルや電線の類が、ゴチャゴチャと雑多に入っていた。
こういうカテゴリーのモノの仕分けは狸の守備範囲なのだ。
狸が箱いっぱいの、からまったケーブル類を解きながら『これは使わない、これは使う』と選り分けていた。
しばらくすると、ビニール袋に入った見かけない黒いコードの塊が…。
しかしそれは、よく見ると黒い毛糸の玉だった。
確かに『黒いコード状』のものだがねぇ!
これは『ケーブル』ではないと思いますよ、お義母さん。
ニヤニヤしながら、すずめに『これは電線じゃないと思うよ』
と手渡すと『確かに〜』。
しばらく笑い転げた。
片付けは大変だが、時々楽しかったり、可笑しかったり、することがある。
そんなことがエッセンスになって『頑張って、もう少し続けるか〜』って、思えるのだった。
©Tanu記