新しくパンツを買った。
ウエストはちょうどよいサイズだったが丈が少し長い(狸の足が短い!)ものだった。
すずめによると『少し長めのパンツの裾を折り返して履くのがカッコ良い』らしい。
そこで狸も丈カット加工は施さないで持ち帰ってきた。履き心地もよく気に入ったので朝の散歩のときも履いていた。
散歩から帰ってコーヒーを飲んでいると足元に砂粒が落ちている。変だなぁと思って折り返した裾を触ってみると何やらゴツゴツと入っている。
散歩したときに公園の未舗装路も歩いたので蹴り上げた砂が入ったんだろう、と思って掃除していたら、
そこには砂粒と言うには少々大きすぎる石ころも混じっていた。
狸が中学生の時は黒い学生服で折り返し付きのズボンを履いていたが、その折り返し部分に、いつも砂がたくさん入っていて、母が洗濯するときに『どこを歩いたらこんなに砂が入るのかねぇ』と苦笑いしていたのを思い出した。
中学生のころなどは、ふざけながら歩いていて真っ直ぐ家に帰った試しは無かったが『あの頃も、こんなふうに砂や石ころが入っていたんだなぁ』と、妙に納得したのだった。
©Tanu記