思い出のクルマの話である。
家のクルマに乗っていても十分楽しかったのだが、趣味の天体望遠鏡やアマチュア無線機を積んで、山に登って車中泊するには使い勝手が悪かった。
自分で楽しめるクルマが欲しいと思うようになって、バイト代を貯めたりして何とか資金的にはめどが付いた。
当時の家には車庫が1台分だけで、維持費用の事も考えると軽自動車以外の選択肢はなかった。軽自動車は車庫証明も不要だったので、自宅前の道路に少しはみ出して停められると考えた。
『ALTO。47万円!』の広告で有名になったアルトを見に行った。商用車だが色々な色を選べるのは良かったが、荷物を積んでの車中泊にはチョット狭すぎた。
悪友たちと長居していたファミリーレストランの近くに小さな個人経営の中古車が有った。整備工場もない売るだけの車屋だった。
ある日、店先に『キャンセル車に付き特価』という売り文句の、茶系の外装にストライプの入った商用っぽくない軽バンが並んでいた。インテリアも茶系のストライプ入りのセミベンチシートで楽しそうだった。
店主に話を聞くとHondaのACTYバンのSTREETタイプのハイルーフで、商用から少しレジャー向けに振ったモデルとのこと。値段もアルトと大して変わらなかった。
『これなら趣味にイケる!』と、購入。初のマイカーを手に入れた。
写真はHondaのホームページから借用しました。
©Tanu記