年明け最初の出勤日は、1月8日の成人の日だった。
狸の勤める会社は、メーカーで、いわゆる週休二日制。
土日は休みで年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の休みは長いが、土日でない祝日は原則として出勤日。
以前の職場は土曜出勤で日月休みという一般人が働いている日に休み、ということも多かったので、祝日出勤は苦ではない。
渋滞・ラッシュも、ほぼ無いしね。
狸の事務所は、3階と屋上が駐車場になっている。
狸は通勤車を3階に停めているので気が付かなかったが、屋上がスケートリンクのように凍っていたらしい。
その日の名古屋の最低気温は、0.3℃。低温注意報が発令されていた。
夜半に降った雪混じりの雨が放射冷却現象で屋上だけ凍ったらしい。
狸は通勤時凍結を予想して走行していたが意外に路面がドライだったので会社に着くまで安心していた。
実は名古屋高速では凍結路面で、スリップしたと思われる事故が多発していたらしい。
女性は初日は晴れ着なんていう昭和時代の習慣は当社にはなく、むしろ古くなったエアコンが調子悪くなって効きが悪く、みな会社支給の地味なジャンパーを着て仕事を始めた。
社長、統括長、部長の講話を聞いて、いつもと同じように仕事が始まった。
この正月明けの風景も、いつか懐かしくなるのだろうか。
©️Tanu記