シクラメンの花が咲いた。
早いもので狸が世話をするようになって今シーズンで、もう7年目になる。
我が家のシクラメンは小椋佳さんの『シクラメンのかほり』に出てくるような真綿色ではなく代表的な赤い色の花だ。
大阪にいた時はベランダで育てていたが、名古屋に来てからは陽当たりの良い南側の窓際に置いている。
やはり『シクラメンのかほり』は、よくわからない。
蘭の花の香りは香るのだけど。
このシクラメンは、すずめの母上が、どこかの誰かからプレゼントされたらしいが、お世話が大変になって、お役目が狸に回ってきたものだ。
シクラメンというと花茎がすっと伸びて、その先に花がやや下向きに咲くイメージがあるが狸が育てているものは花茎が短い。
すずめが葉っぱの陰に隠れていた一番大きな蕾を陰から出したところ、すっくと立ち上がった。
つづく蕾も、いくつも見えている。
園芸種として、たくさんの種類があるようなので、恐らく変わり種の一つなのだろう。
シクラメンは球根の多年草だが、休眠させて夏を超えて春にまた花を咲かせるのが難しいと言われている。
理由は日本の夏の湿度が高いからだそうだ。
狸は花が終わって葉っぱの勢いもなくなってから、枯れた葉や茎を切り取って、土の表面が乾かない程度に水をやる。
そんないい加減な管理ながら、もう夏を7回超えた計算になる。
部屋の隅で咲く花を見ると安らぐ気分に浸ることができた。
©Tanu記