8月16日は送り火だった。
迎え火でお迎えした御先祖様たちを、お送りする日だ。狸家でも例年どおり送り火を焚いた。
ここ何年かは、その日に高校のクラス会を京都の五山送り火が見える所に住んでいるヤツの家でやろうということになっていた。
しかし医療緊急事態では集まることもはばかられるので、去年に続き今年もまた延期になった。
一度に五山の送り火を全て見られる場所は極めて限られているし、密にならないようにテレビの中継を見るのが、やはり一番かもしれない。
バスで、それぞれの送り火を見られる(車窓から)ところに移動するツアーもあると聞いた。
狸家では去年の送り火から焚く『おがら』は1本にすることにした。
節約目的ではなく発する匂いと煙のためだ。
年に2度のことだけど、色々と都会のマンション住まいのシガラミがあるので最小限に縮小することにしたのだ。
それでも、1本だけでも結構な火力と煙があるので、すずめは『お風呂の前にやろう』と言う。髪の毛が煙と匂いを吸着するから、というのがその理由らしい。
そんな心配は全く不要な狸、喜ぶべきか悲しむべきか。一応、顔にも煙の匂いは着くんだがな。
顔は洗っておくか。
©Tanu記