120歳まで生きるとすると?

「まだ人生半ばじゃん」と気付いたいま、 120歳まで健康で退屈しないためには何をすればいいのだろう? そんなことを一記事500文字くらいで書いていこうと思います

隣のHさん

『蝉さ〜ん』で、新婚の頃のアパートの話をしたら思い出したことが有ったので記事にしてみる。

新婚生活を始めたアパートは、こどもができても居られるように3DKを借りた。当時の狸の給料と、すずめのアルバイトで家を買う資金を貯めながらの生活は、なかなかタイトだった。

アパートは2階建てで中央に階段があって左右独立しているタイプ。そこの2階を借りていた。大家さんは農業をやめて埋めた畑にアパートを2棟建てて、のんびりしているような人だった。

我が家が引っ越してしばらくしたある日、空いていた一階の部屋に一見危なそうな人が越してきた。仮にHさんとする。

Hさんは狸より20歳位上で、朝からビールを飲んでいて、いつもタバコをくわえている。昼間は家に居たり、ふらっと出かけたりする。一人暮らし。

そのHさんに我々夫婦が何故か気に入られた。すずめが気に入られたのでは?と今でも思っている。

週末になると毎週ではないが『鮎が捕れるようになったから簗(やな)場に』とか『栃木で一番美味しい寿司屋に』、『友達がやってるステーキ屋に』などと連れて行ってくれたり、誰かにもらったから、と野菜や魚をくれたり。

ja.wikipedia.org

ある日、親族という人が来てHさんを連れて引っ越していった。大家さんの話ではHさんはとある企業を経営する一族の人。家を飛び出して一人できままに暮らしていたものアルコール依存症で呼び戻された。そんなところらしかった。

Hさんがする話は荒唐無稽だったが面白かった。新婚の厳しい懐事情に神様が使わしてくれたのではないかと、思い出すのだった。

©Tanu記