120歳まで生きるとすると?

「まだ人生半ばじゃん」と気付いたいま、 120歳まで健康で退屈しないためには何をすればいいのだろう? そんなことを一記事500文字くらいで書いていこうと思います

花束の人

3月も半ば。

狸のクラスメイトが務める高校では卒業式が執り行われた。今の御時世、何かと気を使って挙行したのだと思う。

会社員も会社によっては年度ごとの3月末に定年にする会社もあるようだが、狸の務める会社では、今の制度になって60から65歳までの誕生月末か、その半年前の月末かを自分で決めて定年とすることができる。

それまでは60歳の誕生日が定年で、その後は退職後再雇用の形で65歳まで働くことができた。

先日その旧制度で65歳を迎えた方、TRさんがいた。

定年と言うと花束を連想するがTRさんは花束はご辞退され、社長の感謝状や同僚有志の記念品を抱えてご挨拶。

職業訓練校を出て48年間努めてきたTRさんは、いま狸のいる職種一筋で、その道の生き字引き的存在だった。

みんなに頼りにされて、自らも後輩のために技術伝承を怠らなかったTRさん、惜しまれながらも、みんなに手を振りながら退社された。

『仕事は、やりきったから明日からは大好きな釣り三昧の日々をしばらく送るんだ』と楽しそうに語り、不安や寂しさは微塵も感じられなかった。

狸も退職の日は『明日からは、あれやこれややることがたくさんあるぞ!』と言いながら職場を後にしようと思う。

©Tanu記