ビンテージと言うには少々古さが足りないみたい。
『ねぇねぇ、昼間の用事が終わったら、あのリサイクルショップに行こうよ』
と、すずめが言ってきた。
とあるリサイクルショップの片隅に、オールド・ノリタケのティー(日本茶)セットが置かれていた。
その時すずめは『物を減らしている最中だし可愛いけど湯呑だけで良いか』と、湯呑を2つだけ買ってきた。
その湯呑を普段遣いしているうちにポット(急須)も欲しくなった。
さんざん迷って(値段は破格だ)結局買いに行くことに。
リサイクルショップに行くと昭和時代のモノが大量に溢れている。
想像するに狸の親の世代の収蔵品を片付ける人が増えてきて、その中の一部がリサイクルショップに回ってきているのだろう。
ノリタケ製品も多く出回っているが、今回すずめが買ったもののように、殆ど使われた形跡がない物は、あまり多くない。
それも破格の値段となると、ある意味レア物だ。
我々が見に行くと湯呑は残り一つになっていた。
どこかの夫婦?が買っていったのだろうか。
残ったポットと一つになった湯呑を買って上機嫌の、すずめ。
大事に使ってくれる次の飼い主が見つかって、ポットと湯呑も、ホッとしていることだろう。
お茶が美味しかった。
©Tanu記