事務所の若い衆と話していて『ガソリンが良い匂いかどうか』の話になった。
クルマやモーターサイクルを、よくいじっていた狸は好き嫌いに関わらず、ガソリンをよく臭っていた。
たとえば『キャブ(レター)からガソリンが漏れているな』とか『ずいぶん長いこと放置していたのでガソリンが腐った(劣化した)匂いだな』などだ。
ところで世の中にはガソリンの匂いそのものが良い匂いだと惹きつけられる人もいて、話をした若い衆の中にも『ガソリンが好きだからスタンドでバイトしてました』などというヤツもいる。
かの本田宗一郎氏も幼少の頃に『近所を走っていった車がこぼして行った、オイルとガソリンの匂いにうっとりした』と書いていた。
サイエンス系まとめ記事に『ガソリンを「いい匂い」と感じるのはなぜ?』という記事があった。
それによると『良い匂いだと感じさせる成分はベンゼン』成分的には1%にも満たないが、強い香りを放つためにガソリンの匂いと代表される。
ベンゼンは呼吸器系に深刻なダメージを与えるが、匂いの割に割合は小さいのでガソリンそのものは害はないそうだ。
ただしベンゼンは脳にドーパミンを出させる物質なので、要は『ハイになっている』ということになる。
で『良い匂い』と感じる人が出てくるのだろう。
狸は『あっ、ガソリン臭い』と思うけど『良い匂いだから近寄ろう』とは思わない。
脳のためには近づかないほうが良さそうだ。
©Tanu記