縄文杉を眺めながら不思議に思うことがあった。
屋久島は、およそ7000年ほど前に鬼界カルデラの大噴火で動植物は壊滅したと聞いた。その後に芽吹いた杉が屋久杉になったのは進化したのか?
しかし進化して変化するには短時間過ぎないだろうか。世代交代も何回もしていないだろうし。
調べると『進化』とは違うようだ。
普通の杉の寿命は500年位とされている(十分に長いけど)。
屋久杉が長命なのは、屋久島全体が岩(花崗岩)の塊と言えて、加えて雨が多いため表土が少ない事から、地中深くに根を張れない。
そのため成長が遅くなり年輪が詰まって樹脂も多い。脂分が多いことから腐敗や寄生虫に抵抗力ができて長命になった。
同じ杉だが環境が異なって順応しているようだ。
同じ屋久島の、トロッコ道の中間辺りにある休憩所の周りの小杉林の杉は、す〜っと伸びて、本州でも見かける普通の杉の木の形をしている。
想像だが、あの辺りは表土が少しは有って(川辺りなので)根を地中に張ることができたので、真っすぐ伸びることができたのではないか。
そうすると、岩の上に浅く根を張る縄文杉は、まるで屋久島という鉢にある盆栽の木のようだ。
そんなふうに思えてきた。
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