これは正に登山だ、と思った(本格的な登山は、したことないけど)。
トロッコ道は8.5kmで300mほどの登り。
まぁ、それでも平均35‰という鉄路にしては結構な坂だが、縄文杉への『大株歩道』は2.5kmで400mくらい登るわけだから、5倍くらい急だ。
宿泊荷物を置いて身軽になったものの、自分の体重を呪ってヒィヒィ言いながら登り始めた。
特に急なのが、ハート型の穴で有名な『ウイルソン株』まで。そこから先が楽なわけではないが、ここは通称『地獄の1〜3丁目』と言うほど大変だとか。
そこをなんとか登り切るとウイルソン株に、およそ30分かかって、たどり着いた。『縄文杉は近くまで寄れないし』と、ここで引き返す人もいるくらい有名な切り株だ。
切り株と言っても、その中は4畳半くらいの広さがある。雨宿りも出来る。
『きれいにハート型に見えるのは一箇所だけなんですよ』とTさん。その場所から写してみる。
途中に『大王杉』などという屋久杉もある。
これだけ深い山の奥だから切られずに残ったのかと思いきや『形が悪くて切られなかったのでしょうね』とTさん。
枝が多くて節がたくさんあったり、コブができていたりすると、平らな板に製材しにくくて使い手が悪いからだ。
『縄文杉もコブだらけで真っ直ぐなところが少ないから残ったのかもしれませんね』とTさん。
そんな話をしながら更に1時間、ついに縄文杉の観察テラスが見えてきた。
©Tanu記