出発してから1時間少々。
結構登ってきた。汗もかいた。
白谷避難小屋から10分ほどで到着した。苔むす森。
思ったより広く、あたり一面の岩が、その名のとおりに苔むしていた。
Tさんが『監督は長い時間そこに座って長い間考えたり、スケッチしたり』と解説してくれる。
『その切り株は、オッコトヌシの横顔に見えるでしょう』。うん、なるほどね〜。
朽木から伸びる若葉は、ラストシーンを連想させる。貸し切りなので写真も撮り放題で、のんびりだ。
途中で出会う人達は、天気を気にして早めに通過していった。帰りの沢渡りが雨による増水で困難になる可能性があるからだそう。
我々の先は大丈夫なのかな? 『こっちには大きな沢はないから大丈夫ですよ』とTさん。
少し登ると辻峠。このコースのビューポイントである『太鼓岩』への分かれ道だ。
『今日は上がっても多分ガスって何も見えないから、またの機会にして体力を温存しましょう』とTさん。ここはプロの助言に従って、今回はパスすることに。
辻峠の下りは急峻だ。
10分ほど下ったところに『辻の岩屋』という大きな岩がある。『サンの岩屋』というハナシも有ったらしいのだが『大人の事情』で、その名前は使えなかったそうだ。
写真だと大きさが伝わりにくいが、岩の下の空洞に、すずめと狸が並んでバンザイして岩を支えるポーズを余裕で取れるサイズだ、と言えば何となく伝わるだろうか。
この後も通称『トロッコ道』に向けて森の中を下っていく。
©Tanu記