それは1980年代末の皐月吉日(実は仏滅だったけど)の夜の出来事だった。
すずめと狸は、その日、大阪某所のホテルで結婚披露宴を行った。
夕食後にホテルの近所を散歩していた。
5月にしては暑い日で、二人でぺちゃくちゃ話しながら歩いていたら喉が渇いてきた。
現代と違い、あちこちにコンビニがあるわけではなかったので、ホテルに帰り際に、すぐ近くに自動販売機があるのを見つけた。
『缶コーヒーでも買おうかね〜』とコインを入れて、コーヒーのボタンをポチッと押したら『ガラガラ』と出てきたのが、これ。
『赤まむしスタミナドリンク』だった。『何これ〜っ!』と、すずめ。思わず顔を見合わせて笑ってしまった。
もしかして誰かのイタズラで始めから入っていたのかと缶コーヒーを探したが、他には出てきていなかった。
頭を捻りながらも、もう一回コインを入れてコーヒーのボタンを押すと今度はちゃんと缶コーヒーが出てきた。
大昔そんな事があったよね〜、と思い出させてくれたのが豊中市原田元町のリサイクルショップ『なんでも豊中』。
これはリサイクル品ではなくバーゲン食品売場にて発見。思わずノリで買って帰ってきた。
それにしても、どうしてあの『赤まむしスタミナドリンク』は、あのタイミングで出てきたんだろう?
永遠の謎だね。
©Tanu記