ある朝、ひげ剃りをして鏡を見ていた時だった。
いつもは自分の顔など、しげしげと見ないが、それでもチラッと見た時に何か違和感を感じた。
『なんだろう?』と思ってもう一度、良く見ると黒目の端が白くなっていたので白内障だったらヤバいなと少々焦った。
高校の同級生が白内障の手術をしたとのハナシを聞いたばかりだったからだ。
慌てて調べると、これは『老人環』という老化現象だった。良かったなぁ、嬉しくないけど。
ご存知、白内障は水晶体が加齢で白く濁る病気で、白内障が原因で黒目が白く見えるのであれば、黒目の真ん中の瞳孔が白く見えるので場所が違う。
そもそも瞳孔が白く見えるような状態なら相当進んだ白内障だそうだ。
老人環は60歳ぐらいになると鏡を見てわかるぐらいになる方がそろそろ出てきて、80歳ぐらいになると、ほとんどの方に出現する。
男のほうが早く、そして、はっきりと出てきやすいらしい。 もともとは透明な角膜が白く濁る原因は、加齢で脂質が少しづつ沈着し透明ではなくなるからだと言う。
この老人環(それにしても嫌な名前だなぁ)は文字通りの老化現象で、病気として心配する必要はないそうだ。
だんだん見た目の白さがはっきりしてくるが、これが原因で視力低下が起こることはないそうなので、皆さんもご安心を。
狸も安心はしたけど、やはり嬉しくないのだった。
©Tanu記