先日の夕方、西の方角に向かって歩いているときだった。
夕方と言っても夏の夕日が沈んでから、しばらく経って、もう夕焼けも薄れていた。
長い坂道を登っていると、行く手のマンションの屋上に白いライトが灯っているのが見えた。『屋上で夜間作業でもしているのかな』そんな感じの明かりだった。
しばらく見ていて気づいた。『なんだ、宵の明星が巡って来たんだったなぁ』と。
梅雨の間は、あまり空を眺めていなかったので不意を打たれたようだ。
当日の光度は、およそ−4等級。久しぶりに星を眺める目には眩かった。
金星の会合周期は584日ほどだから、1年半ぶりくらいにお目にかかっていると思うのだが、それほど久しぶりな感じがしない。
一度見え始めると随分長いあいだ西の空に君臨する(今回は少なくとも年末までは)からだろうか。
またこの次に巡ってきたときは海外旅行にも行けるようになっているだろうか。
またまた大阪に緊急事態宣言が発令されたというニュースを聞きながら、そう思った。
©Tanu記