突然、髪を染めてみることになった。
『狸は白髪にならない』はずだったが、最近横の方の髪に白髪が目立ってきた。
『染めることになった』というのは自発的に決めたわけではないからだ。
すずめが買ったものの、キレイに染まらなかったヘアマニキュアを、すずめの髪は丈夫なので染まらないのでは?ということで、狸の髪なら(細くて柔らかいので)染まるかもしれないと試してみることになったのだ。
もっとも美容に全く興味のない狸は髪を染めたことなどなかったので、全部すずめがやってくれることになった。狸は座っているだけだ。
まずは染めるところの周りの肌が染まらないように無添加ワセリンを塗って、マニキュアを付属の櫛で塗っていく。服に着いてしまわないように上半身裸で。
そのまま15分ほど放置、というか定着を待つ。
その後まずは、手袋をはめてシャワーでお湯洗い。色水が出なくなったら次はシャンプー洗をする。その後に洗いで。ああ面倒くさい。
さて、結果は?! 全くと言って良いほど染まっていなかった。
こんなに面倒なことをしても大して染まらないなんて。やはり狸は自然が一番だと悟ったのだ。
枯れ木も山のにぎわい、ならぬ、白髪も頭のにぎわいだ。
©Tanu記