以前、実家を整理していたら、布団をそのまま包めるくらい大きな、唐草文様の風呂敷が出てきた。
また、最近すずめの実家の掃除を手伝っていたら、旧狸家のものよりは小ぶりの、同じ文様の風呂敷が。
唐草文様の風呂敷と言うと、こそ泥が風呂敷に盗品を包み込んで抜き足差し足、を連想する。なぜこうなのか調べてみた。
こそ泥が唐草文様の風呂敷を担いでいるといわれるのは、昔は唐草文様の風呂敷がどの家にもあったから。
こそ泥は盗みに入った家で、まずその風呂敷を探し、その風呂敷に盗んだものを包んで逃げたからだと。
言われてみれば『なるほど』である。流行りの柄物を持って歩いていても怪しまれないだろう?
では、なぜ唐草文様が良かったのか。
もともと唐草文様はギリシアの神殿などの円柱などに見られる草の文様が原型で、メソポタミアやエジプトから世界に伝播したと考えられ、日本にはシルクロードで伝わったとされているそうだ。
アラブ諸国のモスクの装飾としてよく用いられるため、ヨーロッパでは「アラベスク(アラブ風)」とも呼ばれる。
唐草文様は蔓草の茎や葉が絡み合って曲線を描く文様で、日本では生命力が強く途切れることなく蔓をのばしていくことから『繁栄・長寿』などの意味があり、縁起が良い文様とされている。
また、蔓(つる)の音読み『マン』を『万』と読み替え、それが帯のようにつらなっていることから帯の音読み『タイ』を『代』と読み替え『万代』と読み、万代の繁栄、長寿と捉えたのだと。
押入れの掃除から古代ギリシアまでつながった。この風呂敷も子孫に伝えないといけない!かな?
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