『石油ストーブ』懐かしい響きだ。
狸世代の方には、エアコンやファンヒーターが普及する前は、ご自宅の暖房が炬燵と石油ストーブだった、という方もいらっしゃるのでは。
燃料は灯油だが何故か『灯油ストーブ』とは言わない。
狸がこどものころはストーブに灯油を入れて火をつけるのは親父の役目で、そのうちに狸がやるようになった。
最初の頃は灯油のポンプを止めるタイミングを間違えて灯油を溢れさせて失敗したものだが、それも懐かしい思い出だ。
マッチやライターでストーブの芯に火を付ける。火を扱うと大人になった気分がして少し嬉しかった。そのうち電池で簡単に火がつくようになってしまった。
そんな場面を少し前に記事にした『北摂焙煎所』でみかけた。
店内のメイン暖房は天井のエアコンだが、雰囲気とハンドウォーマーの役割か、石油ストーブが数台おいてある。
すずめと朝食に行ったとき、開店準備中で店内に灯油の匂いが充満。店長?が床に溢れた灯油を掃除中。
掃除が終わったらバイトの若い女性にストーブの点火方法を教えている。
『耐震消火器のネジを巻いて』『芯を一杯に出して』『小窓からライターで火を付けて』『しばらくしたら芯の出すぎを調整する』これだけなのだが、若い彼女は多分初めて扱うのだろう、なかなか火が付けられず。
おせっかい爺さんが声をかけようかと思ったが、やめておいた。
しばらくして手を温めに行った。ほんのり暖かくて気持ちよかった。
©Tanu記