狸は暑がりだが、すずめは寒がりである。
小柄で痩せ型なので寒くて当たり前だとは思うが、秋口に狸が肌掛け布団で寝ている横で、羽毛布団をきっちり被って寝ていたりする。
そんな、すずめなので、冬の寒さは一大事である。急に寒くなった先日はカイロを貼って仕事にでかけたそうだ。
ところで、昔狸の母や祖母が使っていたのは決まってハクキンカイロだった。
燃料(ベンジン)補給の手間は必要なものの、点火と同時に暖かくなって、まるまる一日保つから良いらしい。
ベンジンを燃やしていると思っていて、火気厳禁のところでは使えないと言うヤツがいるが間違えだ。白金触媒を使ってベンジンを水と二酸化炭素に分解して発熱させているので火は点いていない。
最初にマッチを使うのは反応の開始温度まで触媒を温めるためだ。狸はこどものころ祖母がカイロにマッチで点火するのを見て『お腹に火のついた物を入れて危ないなぁ』と思っていた。
そのハクキンカイロの発熱量をざっと計算すると、1回(24時間)あたり200kcalほどになる。使い捨てカイロは1個15kcalくらいだそう。
昨シーズン、ずずめにと買ったヒーター腹巻き(モバイルバッテリー電源)は20kcal。これがなかなか優秀だった。
電気カイロに頼るのも悪くないかな。
©Tanu記