F君が来てから1ヶ月後の1996年4月末、ゴールデンウイークのはじめに7番目の留学生が来ることになった。狸はメーカー勤務なのでゴールデンウイークは休みになり、対応も楽だ。
今回も来るのはマレーシア人で23歳、N君だ。N君は日系の電気メーカーのマレーシア拠点に勤務していて、企業留学のために来日した。
マレーシア人はイスラム教系の名前が多いと思っていたのだが、エントリーシートの名前を確認すると、なんだか中国人のような綴だった。
彼は中国系マレーシア人で、漢字の名前とアルファベットの綴を併記していた。マレーシアは3200万の人口の4分の1が中国系と、そのときに知った。
マレーシアは小学生からマレー語・英語・中国語を習うというが、中国系だけ有って漢字は得意で、日本語も少し話すことができた。
N君も(半導体の)エンジニアなので栃木県立の科学館に行くことにした。やはり彼にとっても少しこども向けかなぁ、と思ったが、狸がこどもと行っても楽しいのと同じように楽しんでくれたようだった。
中国系でイスラム教徒ではなかったので、お祈りの時間やハラール食に気を使う必要はなく、日本の家庭生活を満喫してもらえたと思う。
©Tanu記