週末の夕食に久しぶりにお好み焼きをしようということになった。が、いざやろうとすると『あれがない、これが足りない』というものがあり、スーパーに買い足しに行く必要が生じた。
我が家から最寄りのスーパーまでは徒歩五分。すずめは下ごしらえを始めているので、狸がメモを見ながらお使いに行くことになった。
いつもは業務スーパーまでクルマで出かけるか、近所のスーパーに行くかで、ふたりで行くことがほとんどなので、最近一人で食料品の買い出しに行くことがなかった。
『お使い』懐かしい響きである。
小学生の2年生くらいのころから、両親にお使いをよく頼まれた。自転車で2〜3分のところに市場が有って、そこまで行っていた。
やがてスクーターに乗るようになると、最寄り駅のパン屋やスーパーに、お使いに行くようになった。
学生の頃は『帰りに〇〇買ってきて』などと頼まれることが多かった。
『狸はお使いが好きだったねぇ』と亡き母や祖母に言われたものだが、別にお使いが好きだったわけではない。自分で好きな銘柄を選べるのと、市場やスーパーまで自転車やスクーターで行けるのが良かった。
つまり狸は根っからの、乗り物好きだったということか。
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