また、スーパーカブについての思い出話だ。
時は1970年代半ばの、狸が中学2年のときのことだったと思う。数学の授業を、いつも生真面目に淡々と授業を進めていく先生が、ふとスーパーカブの話をし始めた。
まだ大してモーターサイクルに詳しくはなかったが、その先生がモーターサイクルに乗って通勤していることは知っていた。それがホンダのスーパーカブとは知らなかった。
話の内容はだいたいこんな様に思う。
理科の先生もスーパーカブに乗っていた。とある日曜日に、数学の先生は理科の先生とツーリング?で六甲山に登ってきた。数学の先生のはスーパーカブ70、理科の先生のはスーパーカブ50だった。
麓まではどちらも楽勝で走ったが、いざ登り始めると50はさすがにしんどくて70との差が開いた。『やはり1.4倍の差は大きいんです』と数学の先生。
続けて『ところが理科の先生は、これに懲りたか、次はスーパーカブ90を買うと言うんです』『そうすると僕も90を買わないといけません』
その後、理科と数学の先生がスーパーカブを買い替えたかどうかはわからないが、スーパーカブに3種類のエンジンが有るのはこの時初めて知った。(現在は皆さん御存知の通り50,110,125だが)
乗るなら大きなエンジンのモデルに乗りたいと、数学の先生の話を聞いて思ったのだ。
©Tanu記