『秋の日はつるべ落とし』という言葉を思い浮かべる季節になってきた。仕事を終えて駅に向かう道で夕暮れになるのも早くなった。
秋分の日を過ぎて、これから半年は夜のほうが長くなる。こどもの頃から秋は、あっという間に夜が来るな、日が短くなる変化が速いなと思っていた。亡母が『秋の日はつるべ落としだねぇ』と言ったのもこの季節のころだった。
日が暮れる変化が早くなると感じる理由はズバリ!『変化が早いから』だろう。
『天文年鑑』によると、大阪で一番日没時刻が早い(山やビルがないとして)のは12月初めごろで16時37分。その1ヶ月前の11月初め頃の日没時刻は17時1分で1ヶ月の変化は24分だ。対して秋分の日に近い9月21日は17時57分で8月21日は18時40分、同様に1ヶ月の変化は43分。
変化の速さは倍近いから、どんどん日が短くなるように感じるわけだ。この変化は緯度が高いほど速くなるはずで、札幌の同じ時期の1ヶ月の変化は54分。
亡母は札幌の秋は寂しい感じだったと言っていたが、案外こんなところの変化の違いがそう思わせたのかもしれない。
空気も澄み夜も長くなるがさほど寒くない秋、久しぶりに星空を眺めに行きたいなと思った。
©Tanu記