このモデルは狸が乗っていたものではない。すずめが就職して原付免許を取得した後、通勤のために雨の日も風の日もお供として活躍していたものだ。結婚した時にすずめの荷物と一緒に栃木にやってきた。
栃木に来てからも買い物やパートタイム勤務にと活躍していたが、栃木名物の夏の夕立で遭難しそうになり、秋の寒さに早くも凍結しそうになり、交通の平均速度が高い栃木では危ないと言うことも有って、すずめは車の免許を取って自分用の軽自動車を買うということになって、狸の友人の親族のもとへ譲られていった。
赤い小さな車体のイブは、小柄なすずめにピッタリのスクーターだったが、標準的な男子の狸が乗っても狭い。2ストロークエンジンなので走りはそこそこだったが、乗り心地は悪かった。メットインでも無かったし、今のスクーターは良くできているなぁと感心させられる。
発売時のコピーが『女性でも取りまわしの楽な軽量、スリムなスクーター』で、当時のスクーターで最軽量の39kg(セル付き)だから、モトコンポより軽くて、電チャリと大して変わらない驚きの軽さ。
ホントのちょい乗り用途にピッタリのモデルだった。
©Tanu記