昨日火星の話をした。その時に紹介した写真に、実は土星も写っている。
振れの大きい写真なのではっきり見えていないが、思いっきりコントラストを上げてみると、写っているのがわかる。
父に買ってもらった望遠鏡で火星が見られてよかったが、火星は大接近した時に見ても模様らしきものは見えなかった。オレンジ色の円盤も少しづつ小さくなって行き、ここで飽きてしまって望遠鏡を部屋の片隅に追いやっても良かったようなものだが、そうならなかったのは『次は土星の輪っかを見てみたい』だった。
買ってもらった星の本と、先生の話を参考に土星を見つけ出した。見えた土星と言えば、星の本の中の写真通りの(もちろんそんな訳はないが、しっかり表面の模様が写っている火星の写真に比べると、輪っかの土星は小学生的にはそのものズバリだ)姿だった。
大興奮して家族を呼びに行き、四苦八苦して土星をみせてやると、姉も両親も火星を見せた時とは段違いの称賛をくれた。輪っかの威力は絶大だった。
それから45年ほど経過し、我が家に遊びに来ていた、おもちのツレのコーラが『土星の輪っかを見たことがない』というので小さな地上用望遠鏡で見せてやると、いたく感激してくれた。
45年経っても土星の輪っかの威力は絶大なままだった。
©Tanu記